「補給品」を作る側から考える | 補給品BANK

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「補給品」を作る側から考える

最近は放映されていないのでしょうか、「やめられない、とまらない○○〇えびせん」のフレーズでお馴染みのCM。
「やめられない、とまらない」ことってありますよね。深夜のお菓子とか・・・

部品製造業の「やめられない、とまらない」ことって?
経済評論家やジャーナリストのお偉いさんがよく言います、「日本の大量生産、大量消費の時代は終わった。これからは如何に付加価値を付けて世界に出ていけるかが大切なんだ!」と。
確かにそうかもしれません。ですが、実際に小さな部品を独自のノウハウで作っている会社って、まだまだ日本にはたくさんあります(弊社もその1社です)。つまり、大量生産は継続している。
作る側からしてみると、大量生産は数も出るし、たくさん作る分原価も下がります。商品が売れている間は安定して注文が入るので、会社の業績を支えてくれます。その間に違う大量生産の話を獲ってきて・・・と大量生産の循環をさせていくことで業績が安定してきます。
なら、「大量生産の仕事をたくさん獲ろう」と判断するのが一般的です。
大量生産って一度どっぷり浸かってしまうとやめられないんです、だって経済合理性に合致しているから。

補給品も「やめられない、とまらない」?
でも、前回書いたように、大量生産終了後の補給品(サービスアフターパーツ)の供給も付いて回ります。一般的に(業界によっても違いますが)大量生産終了後10年・・・というように補給期限があります。でも、その10年の間に1回出荷したらもう3年追加・・・のようなあまり明確になっていない暗黙の了解もあったりします。
従って、供給している側は「もういいよ」って言われるまで、生産できる体制を整えおかなければいけません。弊社のようなゴム製品製造業もそうですが、作るときに金型に材料を入れて力を加えることで、製品が出来上がります。製品を作るうえで金型(非常に高価)は必須なので、保管をしておかなければいけません。モノによっては何十年も。簡単にやめられません。

課題としっかりと向き合う
大量生産をすればするほど金型が増えていって、保管をし続けないといけない・・・これは大量生産を請け負った側の供給責任と言われれば、その通りです。
ですが、①無償で保管を継続/②保管期限の定めが曖昧/③メンテナンスをしないで金型を劣化させる/④発注側、受注側とも金型の状況を把握できていない などの解決すべき課題があります。
①金型はメーカーや商社、大手サプライヤーなど発注側の資産であるケースが多く、預り品としての扱いであり、部品供給側が保管場所を無償で提供していることが殆どです。
②補給品としての供給期限も明確に決まっておらず、製品立ち上げ時の契約もないケースが多数あるなど曖昧な為、保管金型が増えて保管場所がなくなっていきます。
③補給品になると年に数回、数年に1回など生産する頻度がかなり落ちます。すると、金型は金属なので、湿気などで錆びて金型を劣化させることに繋がります。
④受注側(保管側)もたまにしか使わない金型は放置しがちですし、発注側も自分たちで管理していないので、存在自体忘れてしまい、大切な金型の状況がどうなっているのか、把握できていません。

テレビに出演されている大手予備校の現代文講師がおっしゃっていることがあります。
できる(といわれる)人間とそうでない人間の違いは「解決」と「創造」ができるかどうか、と。
補給品に関する課題に徹底的に向き合い、「解決」と「創造」をします。

次回は、こうした課題に対する国(経済産業省)の対応(型管理適正化マニュアル)について考えていきます。