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サプライヤーの廃業・不安定化に備える!ゴム製品の安定調達を徹底解説

ゴム製品は車や機械、建物、道路などに使用され、ゴム単体で使用されるというよりは、金属やボルト、プラスチックなどと組み合わせて「部品」として使用されることが多いです。例えば、車は約3万点の部品から構成され、その中の1つのゴム部品がないだけでも正常に走行できません。つまり、ものを作る際は、すべての部品がしっかり揃ってからつくることが大切です。
それを支えているのが「サプライチェーン」です。鎖のように繋がっているサプライチェーンのどこか1つでも欠けてしまうと部品が揃わず、ものづくりができません。なので、製造業ではこのサプライチェーンの安定性は非常に大切です。
昨今、後継者不足や既存のサプライヤー(調達先)の不安定さを要因として、サプライチェーンの安定性を確保するのが非常に難しくなっています。

「外注先の突然の廃業で、ゴム製品を仕入れることができなくなった」
「人手不足で納期遅延が常態化しているため、安定化させたい」
などサプライチェーンが不安定になることによって寄せられるお悩みが多くあります。

この記事では、ゴム製品の安定調達でお悩みの方に向けて、お悩みの解消ポイントをわかりやすく解説します。

なぜ今、サプライチェーン断絶リスクが高まっているのか

新型コロナウイルスやウクライナ紛争等によって社会情勢が不安定になったことで、安定的に部品を調達し、それを納期通りに収めるということの重要性が非常に高まっています。
ゴム業界でも現在、サプライチェーンの断絶リスクがかつてないほど高まっています。従来の課題として知られていた原材料価格の変動や物流制約に加え、近年特に顕在化しているのが後継者不足既存サプライヤーの人材不足による供給不安定です。
長年取引していた会社が突然廃業し「同じ製品が作れなくなった」という事例は珍しくありません。 さらに、海外依存による調達リスクや、人材・設備の老朽化による納期遅延も増えています。サプライチェーンを支える土台は年々不安定になっているのです。

まず、国内のゴム成形メーカーや関連サプライヤーでは、経営者・技術者の高齢化が進み、次世代への事業承継が進んでいないケースが増えています。特に小規模サプライヤーでは、後継者不足による廃業や熟練技術者の引退により、製造能力が維持できなくなってきています。これにより、従来安定していた原材料や部材の納入が、突発的に遅延する事態が発生しやすくなっています。

さらに、人材不足による現場能力の低下も深刻です。ゴム製品の製造には長年の経験が必要な工程が多く、サプライヤーの工場での技能伝承が十分でない場合、量産対応や品質維持が困難になります。たとえ原材料が入手可能でも、加工・納品が追いつかないことでサプライチェーン全体が滞ってしまいます。
海外依存による調達リスクや、設備の老朽化による納期遅延も増えています。

サプライチェーンを支える土台は年々不安定になっているのです。

後継者不足・人材不足が招く、ゴム製品の調達リスクとは

製造現場では、原材料や部材を安定して確保することが生産計画の大前提です。しかし、国内のサプライヤーで後継者不足や熟練技術者の減少が進み、調達現場にも影響が出始めています。生産管理・調達担当者の視点で見ると、これは単なる現場課題ではなく、サプライチェーン全体のリスクにつながります。調達側のリスクをまとめました。

リスク 具体的内容

供給停止・納期遅延リスク

サプライヤーの工場が人手不足で稼働できない場合、必要な部材や原材料がタイムリーに届かなくなります。
特に大型ゴム製品(両手サイズ〜1m超)は代替メーカーが少なく、代替調達が難しいため、供給断絶の影響が大きいです。

品質リスク

熟練技術者の不在は、加工精度や製品品質の安定性にも影響します。
不良品の発生や仕様外製品の納入は、自社の生産計画や顧客対応にも連鎖的な問題を引き起こします。

サプライヤー依存リスク

特定サプライヤーへの依存度が高いと、現場の人材不足が直接、供給の脆弱性につながります。
サプライヤーが突然倒産・縮小した場合、即座に代替先が見つからないリスクもあります。

コスト変動リスク

人手不足や生産効率低下は、部材単価や納期調整コストの上昇を招きます。
急な外注先変更や代替品調達も、予算超過の原因となりえます。

後継者不足や人材不足は、単なる現場の課題ではなく、調達・生産・品質・コスト・将来開発力にまで影響する包括的なリスクです。サプライヤーの状況を把握し、積極的な対策が求められます。

安定供給を実現するために必要なこと

こうしたリスクを避けるためには、取引先の体制将来性を見極めることが重要です。

ポイント 内容
後継者が明確なメーカーを選ぶ 10年先も存続できる企業かどうかは、安定供給に直結します。
金型の管理体制 生産を再現するために不可欠な金型を、どのように保管・管理しているかを確認しましょう。
試作から量産まで一貫対応できるか 部分的に外注に依存する場合、トラブル時のリスクが増大します。
金型移管に慣れているか 既存サプライヤーから金型を移管して継続生産できるかで切れ目ないサプライチェーンを実現できます。
設備と人材の安定性 納期や品質を守るには、体制そのものが強固である必要があります。

後継者の有無や設備・人材の安定性、金型の管理、一貫生産や移管対応力など、複数の観点からサプライチェーンのリスクを事前に把握することが大切です。

単一の項目だけでなく、複合的に確認することで、納期遅延や品質トラブル、突発的な供給停止といったリスクを未然に防ぐことができます。特に中小サプライヤーへの依存が強いゴム業界では、こうした総合的なチェックが安定供給の鍵となります。

 

弊社の取組みと強み

先ほどの表に弊社がどれくらいお応えできるかをお示しします。

チェック項目 評価
後継者が明確なメーカーを選ぶ ◎:世代交代に向けた準備を具体的に進めています。
金型の管理体制 ◎:室内で保管・管理
試作から量産まで一貫対応できるか ◎:一貫対応で課題解決します
金型移管に慣れているか ◎:金型移管実績多数。最短1週間での立ち上げ事例あります。
設備と人材の安定性 ◎:両手サイズから1メートル超のゴム製品を中心に、設備と人材を配置。
   小ロットでも安定供給体制を確立しています。

信栄ゴム工業では、両手サイズから1メートル超のゴム製品を中心に、廃業やサプライヤーの不安定によるサプライチェーンに関するお悩みを解決できる体制を整えています。

また、安定調達をテーマにしたお悩みごとを解決した事例多くあり、お客さまの安定調達に貢献した実績があります。その一部をご紹介します。

お悩みごと 信栄ゴム工業での解決方法
【廃業】

「今までお願いしていたゴムの成形メーカーが廃業して生産移管したい」

「ゴム材料の手配もやっていて、正直管理が大変」

金型移管を実施し、弊社でゴム材料練りから成形、納品まで一貫対応。
移管時の品質レベルすり合わせと工程の作り込み。

【人手不足】
「注文はたくさん入っているのに、人手不足が深刻で製造できない」

すぐに現場に駆け付け、製品現物金型を確認。
金型を一時的弊社移管し、バックアップ生産。

【納期遅延】

「現行サプライヤーが納期を守れていない」
「受注残が溜まりすぎて、毎日胃がキリキリする。余裕をもって安定的に調達できるようにしたい」

1週間での金型移管。
計画的な生産計画による急ピッチの挽回生産。
【海外調達】
「海外調達している部品が欠品、あと1週間なんとかして欲しい」

日本にあった予備金型を弊社移管、相談から“3営業日”で量産を立ち上げ。
1週間で必要数量を揃え、ラインストップを回避。

【廃業・大型ゴム製品】

「頼りにしていた協力工場が突然廃業」
「数はあまり出ない10Kg超の大型ゴム製品を代わりに作ってほしい」

金型移管でスムーズ対応。
【金型改造・大型ゴム製品】
「射出成形で生産している10Kgのゴム製品を移管したいが、製品が大きいため引受手がいない」

射出成形用の金型を直圧成形用の金型に改造。
入念な成形トライを行い、移管前の品質を維持。

 

 

まとめ

ゴム製品の安定調達は、ものづくりの前提条件であり、サプライチェーンの安定性が確保されていなければ、製品の品質や納期、さらには事業そのものにも影響が及びます。特に後継者不足やサプライヤーの人材不足は、単なる現場の問題ではなく、調達・生産・品質・コスト・将来開発力にまで波及する包括的なリスクです。

こうしたリスクを回避するためには、取引先の経営体制や技術管理体制、金型・データの管理、試作から量産までの一貫対応力など、複数の観点から総合的に評価することが重要です。単一の項目だけでなく、複合的にチェックすることで、突発的な供給停止や納期遅延、品質トラブルを未然に防ぐことができます。

弊社では、両手サイズから1メートル超のゴム製品を中心に、廃業やサプライヤー不安定によるサプライチェーンリスクに対応できる体制を整えています。後継者問題への備え、金型管理、一貫生産、移管対応の経験豊富な人材と設備を有しており、安心して安定供給をご提供できます。

ものづくりを止めないために、サプライチェーンの安定性を意識し、信頼できるパートナーと共に取り組むことが、今後ますます重要となります。

 

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