2026.06.11
2026.07.08
「最短で何日でできますか?」
展示会やお問い合わせで、よくいただく質問です。
もちろん納期は大切です。私たちも、お客様のご要望にできる限り応えられるよう努力しています。
でも、この質問をいただくたびに、私は別のことを考えます。
「お客様は、本当に納期だけを求めているのだろうか。」
これまで数多くのご相談をいただいてきましたが、「早く作ってほしい」という言葉の裏には、もっと切実な事情があることがほとんどです。
設備が止まってしまった。
取引先の廃業が決まり、この先どうすればいいか分からない。
開発が行き詰まり、前へ進めない。
お客様が本当に困っているのは、製造に数日かかることではありません。
「何をすれば解決するのか分からない。」
その状態のまま時間だけが過ぎていくことなのです。
だから私たちは、製品を作る前に、まず考えます。
お問い合わせをいただくと、私はまず図面を見ます。
でも、本当に知りたいのは図面の形ではありません。
「なぜ、この部品が必要なのか。」
「どんな環境で使われるのか。」
「お客様は、何に一番困っているのか。」
そこを理解しなければ、最適な答えは見つからないからです。
以前ご紹介した金型移管の案件では、製造元の廃業によって製品供給が止まるという状況でした。
図面はある。
金型もある。
しかし、材料情報も成形条件もありません。
この状態で急いで試作を始めても、おそらく遠回りになります。
まず整理すべきは、何が分かっていて、何が分かっていないのか。
そのために現物を確認し、使用環境を調べ、材料メーカーや金型屋さんとも相談しながら、一つずつ情報を積み重ねていきました。
急いで作ることより、急いで考えること。
それが結果として、一番早い解決につながると私たちは考えています。
ゴム製品は車や機械、建物、道路などに使用され、ゴム単体で使用されるというよりは、金属やボルト、プラスチックなどと組み合わせて「部品」として使用されることが多いです。例えば、車は約3万点の部品から構成され、その中の1つのゴム部品がないだけでも正常に走行できません。つまり、ものを作る際は、すべての部品が
サプライヤーの廃業・不安定化に備える!ゴム製品の安定調達を徹底解説
海水中で使用する部品でも同じでした。
耐久性に課題がある。そう聞くと、「材料変更ですね」と答えることもできます。
でも、本当にそれだけでしょうか。
海水という使用環境。
求められる絶縁性能。
耐熱性。
金具との接着性。
条件を一つずつ整理していくと、材料だけでは解決しないことが見えてきます。
だから私たちは、すぐに答えを出そうとはしません。
まず、「本当の課題は何か」を考えます。遠回りに見えるかもしれません。
でも、この時間があるからこそ、結果として開発期間を短縮できることが少なくありません。
ある日突然、作れなくなった・・・
「長年お願いしていたゴムメーカーが廃業してしまい、製品が作れなくなったんです。」
ある日、お客様からそんなご相談をいただきました。
今回の製品は、海水中で使用される電気製品に組み込まれるゴム部品。金属とゴムを加硫接着した特殊な構造で、長年同じゴムメーカーで
廃業で製造不能に―情報ゼロから量産復旧した金型移管物語―
リサイクル材を使った食品器具の開発もそうでした。
食品衛生法への適合。
耐久性。
加工性。
使い心地。
一つの試験が終われば、すぐ次の仮説を立てる。
結果を整理し、配合を見直し、再び評価する。
完成までには時間がかかりました。しかし、開発が止まることはありませんでした。
私たちが早くしたいのは、完成ではありません。前へ進むことです。
数年前、ある食品器具向け製品の開発についてご相談をいただきました。
私たちにとって興味深かったのは、その製品にゴムが使われていたことです。
ゴムは自動車や産業機械、水回り設備などで使用されることが多く、食品器具で使用されるケースは決して多くありません。
さらに、お客様からはもう一つ要望があ
試作品はできたのに製品化できない ~新素材開発で直面した意外な壁~
もちろん、すべての案件に対応できるわけではありません。
設備の制約や品質保証の観点から、お断りすることもあります。
そんなときも、私たちはできるだけ早く結論をお伝えするようにしています。
「できるかもしれません。」その一言で数週間が過ぎてしまえば、お客様は次の選択肢を考えることもできません。
私たちは、できることだけでなく、できないことも含めて、早く判断することがお客様への価値だと考えています。
私たちがつくっているのは、ゴム製品です。
しかし、お客様から本当に求められているのは、製品そのものだけではないと考えています。
「何が原因なのか。」
「どの方法が最適なのか。」
「このまま進めても大丈夫なのか。」
そうした不安や迷いを一つひとつ整理し、解決への道筋を示すこと。
そして、お客様が安心して次の一歩を踏み出せる状態をつくること。
それも、私たちの大切な役割です。
ものづくりは、一社だけで完結するものではありません。
材料メーカー、金型メーカー、そして製品を使われるお客様。それぞれが知識や技術を持ち寄り、一つの製品をつくり上げています。
だからこそ私たちは、「自社で何ができるか」だけではなく、「どうすればお客様の課題を解決できるか」という視点で考え続けたいと思っています。
時には、材料メーカーへ相談することが最善の答えかもしれません。
時には、形状の見直しをご提案した方が良いこともあります。
時には、「当社では対応できません」と率直にお伝えすることがお客様のためになる場合もあります。
それでも共通しているのは、お客様の時間を無駄にしないことです。
早く課題を整理し、早く方向性を示し、早く次の一歩につなげる。
その積み重ねが、お客様の設備を止めないことにつながり、新しい製品の開発を前へ進め、ものづくり全体の価値を高めていくと信じています。
私たちは、早くゴムを作ることを競う会社ではありません。
お客様の課題を理解し、解決への道筋を誰よりも早く描く会社でありたい。
早く作る会社ではありません。
早く解決する会社です。
これからも、この考え方を大切にしながら、お客様のものづくりに寄り添っていきます。
2026.06.11
2026.06.02
2026.05.21
材料選定・試作から量産立ち上げ、既存金型の移管、
特急案件への対応など、ぜひお気軽にご相談ください。